玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

「京の小袖」と試作

文化博物館で開催中の展覧会「京の小袖」・・・会場で5時間近く感心しきり。桃山から江戸時代にわたる豪華絢爛、ダイナミックなデザイン、緻密な技術。キモノにこれだけのお金をかけられた日本女性の美意識の高さ、自己実現への夢と情熱はどこからくるのでしょう。そして、施主の願いどおり、時間を費やして持てる力以上の惜しみない努力。チャレンジ精神で新しい表現方法や技術を工夫した作り手のプロ根性に感服します。
文字通り、これぞ「世界でひとつだけ、あなたのためのオーダーメイド」。充実したコレクションにため息の連続で、本当に勉強になりました。右上のカブラをクリックすると入れる私のHP、プロフィールページに「描絵小袖」の歴史紹介がありますが、「玉城和美の描き絵空間」と「小袖」とは切っても切れない関係。塩瀬の帯や自分で仕立てた半幅帯や半襟、足袋や帯揚げなど和装小物の制作は長年してきましたが、キモノは未経験。実は、4月の個展で、私の原点である小袖作品として発表しようと計画、先月から綿絽の一重でお仕立てを頼み、下絵を構想中でした。そんなとき、タイムリーに強烈な良い刺激を頂いたので、先月からあれやこれやと夢が膨らみすぎて、私の頭の中とアトリエはエライ事になっています。
急ぎのお仕事、仏具の黒不動さんのお化粧直し、再チャレンジの器の絵付け、新しい薬品や染料をつかって紺や茶など濃い地色に描く試作品など、どれも乾く時間待ちが必要なので、同時並行でフル稼働。素材によって使う筆も絵の具も異なるので、1.5メートル四方の作業台とキッチンの床と居間のコタツと三箇所全てでそれぞれセッティング、私は所狭しとくるくる移動。途中で晩御飯のビーフシチューを仕込みつつ、なかなか充実した毎日。特に今日は、試作がとてもうまくいったので、またひとつ、夢が実現に近づいた気がして、「ああ、幸せ!」

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