玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

日本てぬぐい

神社やお寺のお清めの水場で、手ぬぐいを半分くらいに切ったような布が竹ひごとタコ糸をつかって下げてあるのを見かけたことありませんか?招布と書いて「まねぎ」と読み、信仰から出たものですが、仕合わせ=幸せを呼ぶ布だそうです。招き猫に「千客万来」などと文字が染め抜きされて、風にくるくると舞って、なかなか面白い風景。
来春の個展で、日本手ぬぐいにチャレンジしてみようかと考えています。洗濯しても半永久的に色落ちしないように工夫して顔料で描き絵していますが、布地の寿命はどうしようもありません。耐久性にこだわって加工すると生地が硬くなり、優しい肌触りが落ちます。
つかえばその分、風化するけれど、大切につかうので愛着が増す、だからやっぱり手仕事の一点モノは愛おしいし、そんなお気に入りが欲しいと思ってもらえるような、はかなく美しい消耗品を制作してもいいのかな、と新しいチャレンジ素材として選びました。つかわずに招布のようにつるしたり、額に入れて飾っても楽しめますよね。文献によると、もともと日本の古文化「描絵小袖」とはそういうものでした。

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