玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

京袋帯②

造形大在学中に企業さんとの研究会でお出会いした為國印刷の千鶴子さんが、「いつも展覧会にお伺いすること楽しみにしています。見るたびに新たな発想や思いが表現され素晴らしい独自の魅力を感じています。楽しんで楽しんで創作して人の心にまで豊かにしていただき素敵です。」とお手紙をくださったことがあるのですが、特にオーダーメイドは世界でひとつだけのべっぴんさんで、大変だけどとても楽しい制作です。描き絵のオーダーをくださるお客様は「もしも私が描けるものなら・・」と強いイメージをお持ちなので「施主さんの夢を叶えてさしあげたい」と力が入ります。
オーダーの数だけ存在する色々な夢を、出来るだけ施主さんのイメージ通りのカタチに落とし込めるように、絵筆を持つ前準備に時間をかけます。オーダー作品の命でもあります。
先月から頑張ってる帯も「大好きな叔母からもらった古い生地を蘇らせたい。お能の会でフォーマルな留袖しか着なくなってしまったけれど、たくさん持っている街着に合わせられる便利で上品な一重太鼓のカジュアルな白い帯が1本あれば嬉しい。」という御年82歳の西宮在住Kさんの熱意に動かされました。難題でしたが、書籍やご縁を頼りに調べて解けていく過程がとても楽しいのです。
呉服屋さん、着付け師さん、仕立て屋さん・・様々なプロにアタックして「京袋帯」という理想の仕立て方をみつけたとき、二人で大喜びしました。しかも表裏とも大島紬を贅沢につかうので、どうしてもリバーシブルでつかえるようにしたい!両面に季節と印象を変えて描きたいと思いました。

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