玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

震災と放射能汚染と甲状腺癌

手術体験者として、少しでも、同じ病気で苦しむ方のお役に立てたら・・・と、カミングアウトしてから、すぐに震災。その後放射能汚染の後遺症として、甲状腺癌が急にクローズアップされ、いまさら素人のわたしが発信しなくてもいいかと思っていましたが、人生の恩人のお身内が、甲状腺癌でおちこんでおられると聞き、少しづつでもやっぱり書こうと思いました。
甲状腺とは喉の奥にチョウの羽のように左右に広がる小さな臓器です。仕事は、甲状腺ホルモンをつくって血液に分泌、自律神経や免疫や体の調子を整える働きをします。甲状腺の病気は、自己免疫異常から、自分で自分の甲状腺を攻撃してしまい傷がつき腫瘍になったり癌になったりするといわれていますが、放射線を浴びたらリスクが高くなるとは知りませんでした。
生まれつき、ホルモンが出にくく代謝が悪くなる橋本病や、出すぎで末端肥大や眼球突出をおこすバセドウ病などの甲状腺機能障害から良性腫瘍ができて、まれに癌になる場合もありますが、症状は人によってさまざまで、心臓病や血圧と誤診されたり、喉がこぶのように腫れるまで発見されにくい病気です。
私の場合は、ほとんど腫れず、のどに違和感もありませんでした。普通に食べていても、体重が一週間に2,3キロ増えたり減ったり、ずっと毎年身長がミリ単位で伸びていったり、おかしいなと思いつつ、内科で聞いても笑われるだけでした。
朝も起きにくいし、すぐに疲れるし、気分も落ち込むししんどいと訴えても、自立神経症、更年期、軽い鬱だといわれました。我慢しながら長年正しく診断もされず、治療をうけられずに、普通に生活をしている人も合わせると、日本人で甲状腺が悪い人は糖尿病患者と同じくらいいるだろうといわれるくらいポピュラーな病気です。が、ほんの30年位前まで精神病と間違われるぐらいお医者様でもよく知られていない分野で、実際のところは、発祥原因も解明されておらず、患者は情報の少なさに右往左往します。
ある患者さんが、「甲状腺は死なないけど本人にしかわからない苦しい病気」といいましたが、本当にそうだと思います。甲状腺ホルモンは、全くでなくなって放置しておくと半年くらいで死ぬこともあるそうですが、一年に分泌される量はわずかティスプーン一杯!
内分泌科、耳鼻咽喉科で血液検査と触診とエコーで、甲状腺の病気かどうかはすぐにわかり、正しくチラージン(甲状腺ホルモン剤)を毎日服用することで、普通の人と同じように暮らせるので、怖い病気ではありません。
癌で切除した場合も同じです。また、最近騒がれている甲状腺癌はほとんどが穏やかで進行が遅い癌です。この続きはまた。

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