玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

渡岸寺11面観世音菩薩

地震以来、書くことも描くこともできませんでした。
東北生まれは我慢強く、団結しないと生きていけないので絆が深いと聞いてはいましたが、報道から逆に力づけられることが多く、いま、私にできることは、普通にいままでどおり生活すること、プラス制作に精進することしかないと思えるようになりました。
描き絵は、買ってくださったお客様から第三者へのプレゼントも多く、私の知らない方々、東北にも何点か飛んでいっています。中には、一緒に被災しているものもあるかもしれません。逆に、作品をみてほっとしてくださっているかもしれません。
ただ祈ることしかできませんが、昨日、名残吹雪のなか、湖北木ノ本へ、除災の観音さんに逢いに行きました。
腰のくびれとねじりが素晴らしく色っぽい女性らしいお姿です。国宝なのに、ガラスケースなしで360度ぐるりと真直で拝観できます。空にならない有り難い水入れを持って、助けを求める人々に手を差し伸べておられます。後姿がユニークで、後頭部に災難や病を制した、と笑っているお顔がついています。
心静かに観音さんとお話しました。日本中、世界中の命あるもの全てが、自分を優しく愛して、つながっている空間が豊かで幸せに広がっていきますように。

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