玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

色絵

水をつかうことが苦になる冬は、陶器の絵付けをすることが多いです。教室の生徒さんにも無鉛の上絵具をつかって、白磁青磁に自由に描いてもらいます。アトリエを開いたとき、かなり頑張って家庭用100ワットのクーラーコンセントでいける上絵用電気焼成窯を購入しました。800度にまで庫内を上昇させ、冷めて取り出すまで一日半かかります。
色は顔料、岩からできているので、ただ描いただけでは水に流れて取れてしまいますが、ガラス質を混ぜて焼成することで、溶けたガラスに色がおおわれて器に定着する仕組みです。ちなみに色絵(上絵)とは、釉薬(つるっとした膜)がかかった上に描くので上絵といいます。呉須などの下絵付けは、釉薬をかける以前、素焼きの状態で描くのです。
私は陶芸の修業はしたことがありません。土は触れないので、職人さんの伝統技術ではなく、あくまで絵師として紙や布に描くのと同じような手法で、既に出来上がった器に上絵付をするだけです。
描き絵もそうです。染色や縫製は独学ですから、どちらも私独自の手仕事で、縛りはなにもありません。
私にとってのモノづくりは毎回チャレンジの繰り返しで、生きることと同じ。苦しいこともあるけれど、とても楽しい至福の空間。ひとり穏やかに集中できる暮らしは、ナルシシスト的思考ですが、五年たったいま、幸せやなあって思います。

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