玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

メイン作品「春の海」完成

昨年来ご縁を戴いている鹿児島県徳之島が、日本で最後の認定となるユネスコ世界自然遺産に登録されます。全国ネットのテレビ番組で、固有種のアマミノクロウサギの姿が見られるようになるとは夢のようです。
またしても起こるシンクロ?この2ヶ月間没頭していた個展メイン作100号大画面。画像のように丘から見下ろしてロープで降りた海を描いた作品ですが、アダンのタコのような足元に群生したツワブキの葉っぱに隠れているアマミノクロウサギにとりかかる前夜のニュースでした。鮮明な動画のおかげで警戒心の強い夜行性のウサギの姿をリアルに描くことができました。
私が島に3週間滞在したのは短い冬が終わって桜満開の昨年2月です。雨の多い春の海には、クジラの母子が越冬と育児のためにやってきます。丘から肉眼で潮吹きが見える近さ。海の色は、浜から水平線に向かって大好きなトルコブルーからネイビーへグラデーションしていき優しい波が向かってきます。
南風になびく独特の植物たちも余白なしで思い切り描きました。命の島と呼ばれる徳之島では、自然の恵みと共存しながら、悲しく辛いことも飲み込みつつ逞しく生きてきた強い霊力のようなものを体感しました。
その感動を京都の会場で作品を通して伝えたいのですが、常に目の前にモチーフがないもどかしさ。なんとか完成したものの、秋には会場へ足を運んでもらえるのか微妙で悩ましいですが、無事に開催出来たら、いつかきっと作品を持って徳之島へ御礼に行きたいと思います。

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徳之島の海
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アダンに結びつけられたロープうをつたって浜へ
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タコノキ科アダンの気根(根っこ)
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メイン作品に描いたタビビトノキ
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島ではハイビスカスではなくサガリバナと呼ばれる
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島でできたお友達から戴いた昨年カレンダー裏表紙

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