玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

ふくろうシリーズ

オーダーメイドのおかげで思いがけないモチーフに出会うことがあります。
私はデザイナーではなく絵描きなので、基本的には自分のために描く・・個展会場で発表する絵は売れなくてもよい、私は今これが描きたいのだという強い自己主張からモチーフが決まります。京野菜から始まって食べられる植物、果樹、散歩道の花木へと広がっていき、それを取り巻く昆虫やカエル、鳥たちも登場し始めました。花鳥画は見る人の心に色々なストーリーを生みだし、この絵をこのモノに描いて所有してみたいという夢をふくらませる魔法を持っているようです。
葉っぱの上にちょこんと座っている小さなカエルに目を奪われて、「カエル博士になりたいという息子への誕生日プレゼントにマグカップとコースターのセットが欲しい」というお母様もいらっしゃれば、「ふくろうは描かれないのですか?」と大喜利のようにお題を頂戴することもあります。
書の教室に通われているHさんは、「お道具が痛まないように縦にすぽっと入る丈夫な帆布の鞄をずっと探してきたけれど売っていないので・・」というお話でした。さあ、そういうオーダーは特に燃えてしまいます。
私は実物を見ないと描けないので、どこで見られるのだろう?と探し始めたら、なんと身近な所にふくろうカフェが!可愛いんですねえ・・表情豊かな不思議な動物のとりこになってしまいました。出来上がった鞄のふくろうはとても気に入られて、納品するたびに次はマフラー、次はペアカップ・・と兄弟姉妹は誕生しています。
で、次回の個展ではふくろうを登場させることにしました。そうです、早くも来年春の個展のお話をする時期になってきました。

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