玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

地染めにチャレンジ

私の描き絵は、染色ではなく、あくまで布に絵を描いている(洗濯しても落ちないように工夫しているので、やっぱり染色?)本人は、職業は絵描きだと思っているので、あえて、難しい異分野の染めものには手を出さないできました。あくまで画用紙感覚で、生成りや薄い色の布地を探して描く。もしくは、濃い色を一部抜いて、描く。白地に、刷毛をつかってグラデーションをかけ、絵画のバックをつくる感覚で複雑な色合いの布に仕上げるのも、最近のお気に入りです。
帯のオーダーで、「白は汚れるから、嫌なんです・・・」といわれる場合は、京都には染やさんがたくさんあるので、色見本から、モチーフの絵が映えるように私が選んで、地染めと湯のしだけお願いしてきました。が、ついに、このたび、お手持ちの生成りの綿レース生地でピンクのドレスに仕立てたいというお話で、どうしても薄目の無機質なピンクに染めてからお仕立て、絵羽付けで、白い花をすっきりと描いてあげたくて、浸し染めのイロハからお勉強しました。猛暑の中、もちろんエアコンもかけずに、ゴム手袋はめてお湯と格闘、頑張っちゃいました。出来栄えは、初めてにしては上出来!これでまたひとつ、オーダーのおかげで、作品に広がりが生まれました。不思議な有難い話ですが、知恵を絞って、心を込めて、お客様の「夢を叶える」ことが、私のお勉強になり、生活の糧になっています。作家にとって、こんな嬉しいこと、こんな素敵な応援はありません。

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