玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

迎春のこだわり

なぜかしら?クリスマスが終わってから大晦日、三賀日と、松の内が明けるまでの過ごし方に、私流の古いこだわりがあり、面倒なんだけれど、取りやめることもストレスになるのです。「苦をつくから29日はお餅をついちゃいけない」だとか、「一夜飾りは縁起が悪い」とか、「一年苦労するから一日は炊事洗濯、針仕事するな」と言うくせに、二日は書初めして奉納したり、ちょっと不思議でした。昔と違って二日からスーパーは開くし、買い物、仕込み、煮炊きと三日間もかかる縁起物の御節も、作らなくても売ってるし、なにもこの寒いときにバタバタとしきたり通りにする必要もないのだけれど、準備せずに寂しい気持ち悪い思いをするよりも、完璧にやってすっきりとお正月を楽しみたいのです。今年は珍しく早めに年賀状を書き終えて体調も良いので、このモヤモヤを解決すべく、そもそもなんのために年越し行事があるのかを調べてみました。
一言で片付けると、我々人間のためではなく、なんと、年神様をお迎えするための御支度なんだそうです。神様は美しいところがお好き、お酒や自然の恵みで作った肴がお好き、磨いてお供えして、新年を良い運気で迎えるために、ちょっとでも、より別嬪さんの幸福の神様に来て頂くための準備だったんです。知らなかった・・・というか、立派な鏡餅や門松も、全て神様をお迎えする空間演出だったんですね。今頃気づいて、ちょっと恥ずかしい。
モノづくりの上でも、古式ゆかしき日本の文化やスピリチュアルな世界を大切に生かしたい私。そのアトリエで初めて迎えるお正月です。「やっぱり運気アップのための楽しんで御支度しなくっちゃ!」とがぜん張り切りだして、早速、クリスマスを片付けて大掃除を仕上げ、お正月らしいお扇子や、金箔や漆細工に描いた作品、一月の花と果物のパネルなどでディスプレイ、玄関周りをお正月バージョンに変えました。そして、元旦は、お雑煮と御節と御屠蘇で神様をお迎えして、新しいスカーフ作品を巻いて八坂神社へ初詣。二日の描き初めのモチーフは「辰」に決めました。

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