昭和30年代の我が家の不思議なお話。しばしお付き合いください。
私の父は神戸で生まれ京都の下鴨へ疎開。母は大阪生まれの滋賀育ち。そんな両親がお見合い結婚した僅か一週間後、同居していた父の母が急死。
まだ親戚の名前もお塩の場所もわからぬ新米嫁の母は悲しむ暇もなく、なんとか葬儀を終えて二人きりになったとき、トイレで号泣している父に驚き、もらい泣きしたそうです。
そして、一年後の6月に私が誕生。母想いの父は、生まれ変わりのような私をとても可愛がってくれました。
縁側で日向ぼっこしながら母乳をあげていると、どこからともなく一匹の美しい蝶が、、、小さな庭から離れることなく私達の周りを長い間ひらひらと舞っていたそうです。
祖母の家紋は揚羽蝶で、実家には揚羽紋の鍵飾りのついた古い箪笥が残っていました。それで、母は「初盆やし、お義母さんが孫を見に帰ってきゃはったんやな」と感じたそうです。
私も母になり祖母になり、山あり谷あり休憩ありの人生の中で、ある時ふと「そういえば私も揚羽蝶や紋黄蝶、大好きな青い蝶々とよう出会うなあ」と気づきました。
散歩していると友が驚くほどカラダのすぐ近くまで寄ってきたり、ずっと伴走?(笑)してくれたり。ベランダで育てているお花の蜜を毎日何度も何度も吸いに来て、窓に当たるくらい部屋の中を覗きこんでくれたり。
いつの間にか蝶々を見かけると、「おばあちゃん、いつも応援ありがとう❗私は今日も元気だよ。」と声をかけるようになりました。
この季節になると、いつも思い出す蝶のエピソードでした。