玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

生みの苦しみと喜び

モノ作りはお産とそっくり。生来感激家なので、美をみつけることには困らない。だけど、その感動を描いて作品に落とし込むまでの道程は、私にとって妊娠、陣痛とおんなじ。やっと受胎しても、つわりもあればマタニティブルーもあるのだ。だけど、出産はめでたくて喜ばしいこと。10年たって、今回そう思えるようになったら、ちょっと楽になった。
メインの壁を飾る洛東の秋を描いた「散歩道」三部作の一枚目の骨描き(墨で線を入れること)がなんとかメドが立った。第二子、三子はまだうやむやだけど。
秋の気配が残る年内中には、なんとかお産したいと思い続けて半年。次回の個展テーマは「原点に戻る」。構図や下絵に頼って筆をごまかざず、野趣あふるる大胆さ、潔さ、へったくそな絵をようもこんなに堂々と大きく・・・とデビュー当時のように、思い切り歌舞きたい。オーダーではなく、そんなお産がもう一度したい。
そう思えば思うほど難しかった。
まだまだ先は長いけれど、とりあえず良かった、もう大丈夫かな。今夜はモチーフのカブラを炊いて祝杯あげよう!

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