玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

ランナーズハイ

モノづくりは体調に左右される。千住博元学長は、「画家は己が肝心。健康な精神は健康な身体に宿る。」とおっしゃったが、筆を持つことを最優先にしながら、女性として日々の人間的な暮らしの中で、自立神経のバランスをとることが何よりの修行だともいえる。
画業をつきつめる日々が続くと、交感神経が立ちっぱなしで食欲はなくなり、社会との断絶を快適と感じ、熟睡できない。夢の中で画面と格闘、夜中に、ぱかっと目覚めたりする。
単にONとOFFのスイッチチェンジが下手なだけなのだが、長く続けば、当然、身体を蝕む。外科医から「4年ほど身体の中で癌を飼っていたのでしょう」と告知されたとき、自分が全否定されたようで私は認められなかった。そして家族と摩擦を生んだ。だが、まぎれもない事実だ。
だから今では、いったん陣痛を棚上げして晩御飯、「あとは明日にしよう」とその場を離れたり、こうして気分転換にブログを書いたり、「愚痴だからね」と前置きして身内に電話したり、ふっと気持ちを緩めるように心がけているが、厄介なことにアンバランスなときは、自分が今ハイなのかローなのか、調子がいいのか風邪でしんどいのかも自覚できないことが多い。
ようやく三枚連作で墨が入り、まさにランナーズハイを抜けた今、ちょっと抜け殻のようになってぼんやりと過ごす日曜日です。京の里山がこんなに紅い12月は珍しい。イチョウも桜も絶妙の色で待ってくれている。明日からは画面を秋色全開で・・・

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