玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

琳派400年と私 その4

尾形光琳が小袖というキモノに描いた四季折々の大胆な花鳥風月のモチーフは、「お雛形」というデザインブックになるくらい流行しました。それらの意匠は、暮らしの中で人々に愛され、時代と作り手を経て、繰り返し使われましたが、肉筆による描絵はすたれていき、染物が生まれました。誰が描いても同じ文様で大量生産しやすいように型が活躍し、よりすっきりと洗練されて継承されていきました。桜や松竹梅、桔梗に萩といえば、実物の姿カタチよりも、漆箱や友禅染に描かれた光琳文様のほうがリアルな形だと勘違いしているくらい、知らないうちに私達日本人の目と頭に刷り込まれていることが、まさに琳派のすごいところだと私は思います。
画面右のカブをクリックしてください!HPのカテゴリー「描き絵とは」に写真掲載している「白綾地秋草描絵小袖」というキモノがいまでも美しく残っています。「春雨に濡れて流れるのが粋な深川芸妓のキモノ」というような川柳があったように、美的生活向上のため、女性を美しく演出するためなら何でもありだった光琳の時代。好きなモノに囲まれて暮らしたいという夢のためなら、工夫してなんにでも描くという琳派本来の流儀は、いまの私の「世界でひとつだけ、あなたのためのオーダーメイド」にとても活力を与えてくれています。

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