玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

ロングバケーション 尾道

後ろ髪をひかれながら、宮島に別れを告げて尾道へ向かう。今回の旅は、いずれも初めましての街ばかりだ。尾道へは仕事もあって伺った。私のHPを観て、カーテンのオーダーを依頼したいと連絡をくださったのだ。
お宿は、千光寺山荘。JR尾道駅からロープウエイで一気に上がれば、そこは桜の花園だった。「満開ですね。」と興奮する私に、仲居さんは「まだまだですわ。山がピンク色に燃えて、木の向こうが見えなくなります。明日も気温が上がりそうだから、お帰りのときにはきっと。」と期待を抱かせてくださった。
「何も下へ降りなくても・・・」といぶかしがられながら、地図を片手に、古寺巡りに出かける。ロケでお馴染みの尾道は、細くて複雑な路地坂と小さな古寺の街だ。辻角ごとに、古びた石の標識が建っているのがありがたい。私は、どうしようもない方向音痴だが、道しるべさえあれば、歩くのは得意中の得意。
階段の上に立派な門があり、奥には美しい屋根と青空、両脇に満開の桜が見える。ゆっくりと階段をあがっていくと、西郷寺と書かれた門のところで、若い学生さんと立ち話中の男性が、「美しいでしょう?どうぞ中へお入りください。ただ、拝観は、今日はお休みなんですよ。」と残念そうにおっしゃった。

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