玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

『帰ってきた江戸絵画』

文化博物館で開催されていたギッター・コレクション。
やっぱり江戸絵画はいい!閉館ギリギリまで三時間くらい眺めておりました。特に酒井抱一の秋草は、どの絵も技術の上品さと風の音が聞こえるところが巧いなあと思います。それから若冲の描く動物、特に象と鶴が好きです。ヘタウマ、大衆芸術だという評論家もおられるけれど、あの勢いと熱情とセンスには誰もが惹かれるのは事実。鶏を何年も飼ってスケッチしたおした話は有名ですが、象については、恐らく数回、遠くから長崎から京へ登った貢物行列をちらりと見物しただけなのだろうと推察します。瞬時に特徴をつかまえて自分のイメージに仕上げてしまう観察眼と素描力が素敵。
私も個展やなんやかやが落ちついたら、いつかきっと北海道へ鶴の求愛ダンスを描きに行きたい。ハアハアと白い息の中、震えながら待って待って、遠目で眺めてささっとスケッチ、そのまま本画に仕上げて、私だけが描ける独特の丹頂・・・めっちゃユニークなぶっ細工な鶴やろうな、と可笑しくなりました。
テンション上がってきましたよ。今日は、津軽三味線ライブで出会った奏者さんのステージ用の足袋を仕上げました。男性サイズなので画面が大きくて迫力あります。彼の奏でる三味線は寒い日本海の景色と赤い色を感じたので真紅の椿にしました。アトリエのあるマンションのガレージに美しい椿の木があります。いま、実が真っ盛り。はじけるまでは、花梨みたいで食べられるんかな・・・と勘違いしておりました。そんな見落とすような実も個展作品の中でチラリとお披露目できると思います。

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