玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

「誕生!中国文明」

奈良国立博物館で今月29日まで開催されている展覧会に行き、興奮しています。
紀元前2000年頃に黄河流域に位置する河南省が、中国文明の誕生の地。幻の王朝「夏(か)」に始まり、12世紀頃まで中国の政治・経済・文化の中心地として栄え、古代日本にも大きな影響を与えたそうです。
正倉院宝物の源流を思わせる華麗な象嵌や金細工などの工芸品や、黄金に光る青銅器、朱色のグルという渦巻き文様が鮮やかな漆の机、唐三彩の陶磁器で作られた動物など、150点にも及ぶ素晴らしい美術工芸品で埋め尽くされ、二時間たっぷりと観賞、想いはシルクロードにまで飛んでいきました。
ほとんどが墓からの出土品であることにも驚かされ、日本の駒犬のルーツはスフィンクスかも・・・とかとても楽しい刺激的な時間を過ごしました。絵画作品はほとんどなく、レンガの壁画と白磁の絵付けが数点ありましたが、陶磁器の造形物や金銀の細工物の技術力に比べて幼稚でお粗末、それがまた不思議でした。
一番興味が湧いたのは「玉(ぎょく)」の存在です。宝石の意味だと知ってはいましたが、正しくは「磨けば光る石」。メノウやヒスイ、大理石、ラピスなども含まれたようです。「玉」で精密に加工された薄いドーナッツのような円盤を「璧」といい、「完璧」の語源となりました。正円は美しいカタチで天体や宇宙空間を表し、私も大好きです。
大それた苗字に負けないように、頑張って自分磨きをして光り輝いて生きていきたい・・・と思いました。

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