玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

長沢芦雪 「奇は新なり」

滋賀県信楽桃源郷、枝垂桜満開のトンネルをくぐって、I.Mペイ建築の美穂ミュージアムへ、「長沢芦雪展』を観に行ってきました。「玉城和美の描き絵」のルーツである「描絵」が全盛だった江戸後期は、多くの才能ある若手の画家が、学んだことを根底に、個性を求めて暴れるように自由に生き生きと描き、京都画壇のルネサンス時代とも言われています。
それぞれがオンリーワンの世界を模索して、画壇全体が円熟を壊しつつ、さらに未知なる新しい完成に向かい、しのぎを削って大胆な構図、当時では奇抜な表現法をいくつも編み出しています。丸山応挙から学んだ芦雪は、筆遣いが実に巧く、伊藤若冲とはまた違う趣がありました。施主さん好みにじっくりと描いたおとなしい作品、一杯引っ掛けて一瞬で描きあげてしまった勢いのあるユーモラスな作品。他の画家や世間の目を意識した奇抜な作品は、今観てもモダンでお洒落です。
やっぱり、いつの時代も、「芸術ハ爆発ダ!」「ナンダコレハ?!」が大切なんだと改めて思い、綺麗に無難に小さくまとまってはいけない、と、とても良い刺激になりました。
葵小学校3年生で出会った図画工作の森先生は、4年間、私の絵の基礎を作ってくれた恩師ですが、「下手で丁寧に」と黒板にいつも書かれていたことを思い出しました。

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