玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

⑫旧東海道独り旅 芦ノ湖逆さ富士~箱根関所跡と神奈川県立恩賜箱根公園

 「富士山は早朝しか拝めない」と気づいた最終日四日目。朝食を八時に変更して六時起きで元箱根港へ早朝散歩。 
 芦ノ湖畔の遊歩道を昨日観た処より更に進んでいくと、なんと!!!冬場しか観られないはずの逆さ富士!

 昨夜からぐっと冷え込んで今朝は曇り空、風もなく遊覧船やボート等もまだ動いてない時間帯で水面も穏やか等の好条件が重なって観られたのか?今日もあっという間にお隠れになっては一大事、新しいスマホで慣れない動画撮影したあとは落ち着いてたっぷりスケッチ。至福の一時は正に「早起きは三文の得」でした。

 楽しかった我が家のようなRoheN Resort & Lounge HAKONE 暖炉脇にある大きな黒板壁に僅かな隙間を探してトレードマークの「蕪」と、TAMAKIとピンクのチョークでサイン。スタッフさんと別れを惜しみチェックアウト。初日に懲りたのでスーツケースはゆうパックで京都へ。

 お世話になった水戸黄門様の印籠「箱根フリーパス」も四日目は期限切れ。芦ノ湖畔の旧街道を徒歩で箱根関所跡まで向かいます。


 美しい杉並木が続く旧東海道をブラカズミしていたら、こんな看板が!なんと今朝の感動ポイントは「さかさ富士」で有名な場所だったんですね。ガイドブックでは出てこない情報です。

 想像してみれば、当時の旅人は延々と歩きで難関の箱根関所を越えたあと、杉林の隙間から光り輝く芦ノ湖が見えて、視界が開けたら静かに佇む箱根神社の赤い鳥居と大きな逆さ富士!その神々しい御姿に思わず涙して合掌したことでしょう!こういうサプライズ地形が2000年ミレニアムに2週間周遊したスイスの印象にとても似ています。神様のデザインは素晴らしいを通り越して憎過ぎる演出、ディズニーランドも真っ青。若冲さんや一村さん、おこがましいけれど私のように実写がベースの絵描きは自然美に感服するしかありません。


 そうこうしているうちに箱根関所跡へ辿り着きましたが小学校の修学旅行かな?可愛いひばりの子たちで満員御礼なので、隣接する本命の恩賜箱根公園へ。

 中央門前の駐車場にある藤棚は、流石お手入れパーフェクト❗山ツツジには孵化直後か?人の恐れを知らない美しいアゲハ蝶(父方祖母の家紋)が、まるで歌舞伎の胡蝶のように何羽も乱舞して、お喋りできるほど私のすぐ傍へ何度も来てくれます。またもやご先祖様に守られてるような気がしてウルウルしました。


 資料館までは40分の健脚コースを選んだのですが、方向音痴&運動不足の私には物凄い急な坂道階段で「もしや遭難?」と泣きながら雨で緩んだ山道を登り降り。芦ノ湖岬の展望台からはお隠れの富士山も、明治天皇が愛された元箱根離宮のバルコニーからは青空の下、素晴らしいお姿!

 最終日のお衣装は「TAMAKIローズ」ここでも着用の作品がご縁となって小田原からお越しのご夫妻と仲良くなり記念撮影し合うことに…京都へお越しの際には是非ご連絡くださいね!

 再び旧東海道を歩いて箱根八里の難関を登山バスに揺られて「湯本駅」まで戻りました。出発前から「女描き絵師の独り旅」千秋楽は、湯本一古い源泉をお持ちの日帰り温泉「和泉」と決めていました。女将さん曰く「絵が大好きな亡き父のご縁に引き寄せられてお会いできたような気がします…」小田原から金太郎号で京都へ戻ります。次回はついに最終回、乞うご期待。

⑪強羅公園ベル薔薇~絶景温泉で富士山とデート



 素晴らしい青空。標高が高いので期待通り涼しくてカラッと。お目当ての「ベルサイユの薔薇」に囲まれて強羅公園ローズガーデンの東屋で(^^)お昼休憩。パンをぶらさげた町田からお越しのご夫妻が「ここ、宜しいですか?」「勿論です。」どうぞどうぞと仲良く相席。「素敵なお洋服ですね~」自然と描き絵談議に。至福のランチ。

 スケッチも美術館と同様に集中時間が半端ないのでお弁当が多い私。RoheN Resort & Lounge HAKONEでお湯を入れてきた350㎖保温水筒に粉末スープを。朝食でカロリー過摂取、京都から持参した大好物だけで充分です。

 お話も弾んで恒例のお名刺お渡し。「京都に行く機会あれば寄らせて頂きますね。」「はい、ありがとうございます!」とお別れ。

 「最後にもう一度撮影してこよう♪」と立ち上がったその時「あ~、やっぱりここだけ咲いてない~。やっぱ日当たり悪いんかな~」とチャキチャキ女性の声に思わず振り向くと、なんと大勢の地下足袋姿のベテラン植木屋さん従えて…「かっこいい~!」惚れ惚れ。思わず「もしかして薔薇専門のガーデナーさんですよね?私は京都から美しい真紅の薔薇を探しに来た絵描きです。どの子がおすすめでしょう?」とご挨拶。「そうなんっすね~?もしかしてこのワンピースも?うわっ凄!」作品を着ているとこういう時に素晴らしいご縁が生まれます。速攻で意気投合できて(^^)話がトントン拍子。描き絵は、今も江戸時代も琳派の文化でとても心地良いコミュニケーションツールなんです。額に入れて澄まして眺める絵も良いけれど、私は「自分の作品を着て街歩きできる絵描き」で本当に良かった。人生が百倍楽しい。
 「初歩的な質問ですが、薔薇の開花時期って春秋どちらが多いのでしょう?」「実は手入れ次第で薔薇は年に4回咲きます。一番美しいこの子たち、春の一番咲きがしおれたら花の下でカットしてあげると二番花が開花。夏前に超短く剪定すると秋に三番花が咲いて、晩秋に四番花。流石にだいぶ小さくなりますが。」知らなかった~!専門職の方と現場でこんな深イイお話できるなんて感動です。世界中で愛される薔薇、やっぱり奥深い子なんですね。

 そして何よりも驚いたのは「一昨日咲いたとこで、本来なら十分美しいのですが、昨夜の物凄い雨降りの影響でイマイチ満開の美しい子がいなくて申し訳ないです。」と。「ええ~っ!私とおんなじ?植物さんに『この子』ってつけはる!嬉しい~」(^^)(^^)(^^)意気投合した勢いで「すみません、物凄く厚かましいお願いなんですけど、次に美しい子が開花したら写メ撮って送信してもらうなんてこと可能でしょうか?」とダメもとでおねだり。「いいですよ!ライン交換しましょか?」ウルウルするほど感激しました。薔薇専門のガーデナーHiromiさんの一押し「ベルサイユの薔薇」きっと素晴らしい子を送ってくださるに違いない、これで一安心(>_<)るんるん強羅公園を後にしてケーブルで早雲山へ戻りました。

 早雲山からロープウエイで振り返ると美しい相模湾が!やっぱり初日の薄暗い景色とは雲泥の差です。しばらく眺めて前を向くと「あっ!!!!!」

 なんとお隠れだった富士山が~(>_<)まさか再会できるとは(´;ω;`)
大涌谷で降りようか迷った瞬間...

富士山から「予定通り絶景日帰り温泉にお行きなさい。運が良ければまたそこで会えますよ。」と語りかけられた気がしてそのまま姥子駅へ。


 予言通り、ホテルグリーンプラザ箱根」露天風呂から素晴らしいお姿、本日三回目のデートです。さあ、ここからは恒例(>_<)「どうやって暗くなるまでにお宿まで帰る?」騒動。もうとっくに海賊船最終号は出航、ロープウエイも終電が行きました。さあ、和美ちゃんどうする?
 自称ホテルの達人はこうしました。親切なフロントでご相談、近くのバス停まで送って戴いて路線バスに飛び乗り。

 そのおかげで、車窓風景とガイドブックから長距離深夜バス「金太郎号」お名前の由来も判明。見渡す限りの大平原ここ仙石原で、鉞担いでクマに載ってた金太郎さんが生まれ育ったとのこと!「成程~さもありなん!」

 そうこうしているうちに登山バスはホテル近くのバス停に到着。物凄いカーブと坂道です。「七曲り峠とか?ほんまに箱根駅伝は過酷なレース」としみじみ感じつつ猛スピードの車に轢かれそうになりながらヨタヨタ下山。

 ここまで来れば一安心!「只今~」

 何か国語も話せてどこへ行くのもヒッチハイクというフォトグラファーのシスコ君は、私のカタコト英語を誉めてくれて皆との通訳もしてくれました💛ありがとう、おかげで楽しかった。次回、日本に来るときは連絡して!

 京都祇園たん義さんランチで再会したエバさんと。
早くも明日はチェックアウト( ;∀;)ああ、御名残惜しい・・・

⑩強羅公園で真紅のベル薔薇と遭遇


 タイタニックを楽しんだ後は、初日と逆ルートで桃源台港から箱根ロープウエイで富士山ビューポイントを目指しましたが、硫黄モクモクの大涌谷でホンマにこの通りお隠れ!降りずに一気に早雲山まで上がって強羅公園へ向かうことに。それにしても乗船前の芦ノ湖畔で生まれて初めて拝めて良かった~(>_<)

 富士山の代わりと言ってはなんですが、ケーブル乗り換え途中で私のお気に入りのお山が初日の曇天とは違って肉眼でくっきり見えました!
 
 拡大画像でお楽しみください。

 ねっ?ほんまに大文字でしょ?

 看板の説明によると「標高924mの明星が岳は箱根山古期外輪山の一峰。毎年8月16日に大文字焼きが行われ花火も上がる」と。今まで京都五山の「送り火」を「焼き」と発音されると「奈良の若草山ちゃうし…」とお冠でしたが、この明星が岳と混同されていたのかも?もっとグローバルに見分を広めて大らかになろうと決心。「箱根二十湯」で良質な源泉が豊富なのも大分県阿蘇山の関係と同様に富士山の恩恵だと感謝(^^)改めて地震国の良い面も発見

 一番船とロープウエイ直行で上がってきたおかげで、箱根登山ケーブルカーも特等席に乗車でき子どもみたいに嬉しい私。いいのが撮影できたので悲し気な鉄道マニアのカメラ少年とお席チェンジ。何度も感謝され(^^)箱根が好きな旅人さん達との一期一会は国や年齢を問わず良い方ばかりで気持ちがいい♡

 列車のようなケーブルカーは単線で、何度もスイッチバックしながら運行

 「強羅公園に行くなら公園上駅から下る方が楽ですよ。」と、これまた優しい運転手さんのアドバイス通りに下車、もう一つの大切な目的「真紅の美しい薔薇探し&スケッチ」のため満開のローズガーデンへ!



 園内を何度も回って見つけました!その名も「ベルサイユの薔薇」品種改良の流行で柔らかいピンクやオフホワイトの八重が人気の今、こういう原種に近い真紅の薔薇は希少。実は、いくつものご縁が重なって「再生ギターに真紅の薔薇を」と京都でオーダー受け賜った時には既に一年で一番美しいと言われる春の一番咲きが終わっていました。若冲さんや一村さんのようにスケッチありきの絵描きとしては過去のスケッチでは納得できない状態だったので強羅公園で出会えて本当に嬉しい!
 続きは「⑪薔薇専門ガーデナーHiromiさんとの出逢い&富士山再会?絶景日帰り温泉の巻」印象強い間に下絵作成したいので、ブログは暫くお休み戴きますね。
 

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