玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

描き絵との出会い①

父親が西陣織の帯をデザイン企画していたので、幼い頃から美しい色と文様に囲まれて育ちました。参観日には、母が美しい染の着物で学校に来てくれたことが、子ども心に誇らしく思い、とても嬉しかったのをよく覚えています。
いつの頃からか、時代と景気に合わせて、モダンという大義名分を掲げたデザイナーと、目立つものは在庫になって困るという商売人の都合で、黒とグレーが大流行。世の中から色絵や輪郭がはっきりとわかる柄モノが消えていきました。洋服だけでなく、壁紙や襖も無機質なボーダーに・・・
ルノアールなどロマンティックな洋画一辺倒だった私が、京都造形芸術大学で多方面にわたって芸術を学び、様々なジャンルの作品に触れるうちに、この危機感に、はっと気付いたのです。幼い頃の思い出が鮮明に蘇って、自然の美しさ「花鳥風月」を墨と色で描いた日本の琳派にものすごく魅かれていきました。
そして思ったのです。こんな美しい作品にこの身を包んでみたい!
化粧やお洒落は、誰でもできる一番手っ取り早い自己主張です。言われなき価値観にがんじがらめにされて自分を見失い乾ききっていた私は、この衝撃的なひらめきに夢中でした。
さあ、どうやって絵をまとう?

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