玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

桜新緑

桜並木が見えるアトリエで暮らすようになって二回目の春。咲き始めはもちろんですが、散り方も毎年同じ様子じゃないことを知りました。昨年は、生まれて初めて、生の桜吹雪を見ました。地面から木のてっぺんまで、全ての花びらが一気に舞いあがり、半日中、まるで舞台のラストシーンのような言葉を失う美しさでした。
今年は、開花直後の嵐で首ごと散ってしまった花が多く、桜吹雪が見られずに残念でしたが、そのかわりに葉桜の色が毎日様変わりする様子が美しく、朝一番に窓を開けるのが楽しみでした。木全体が桜餅のような美味しそうな色合いになり、やがて盛りを過ぎると、いつのまにか御餅は食べられていました。
いまは、ムクムクと新芽が密になって、枝がしなるほどの若い緑です。枝先が風にあおられ、日の光を浴びてキラキラと光っています。まるで、巣作りをしている鳥たちのさえずりとおしゃべりしてるように、枝が、葉先が、体中で踊っています。自然や植物の営みって本当に健気で美しい。いつでもどんな環境でも、焦らず力まずあきらめずに必ず花を咲かせる。偉いな、いとおしいなって感動します。

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