玉城和美の描き絵空間

琳派の元禄文化「かきえ」を令和へ繋ぐ絵師の活動日誌

⑧箱根フリーパス大活躍 天山湯治郷へ


 初日にゲットした箱根フリーパスは本当に重宝した。小田急箱根エリアの登山バスには京都市バスのような均一区間はなく、乗車前に整理券をとって運賃を確認して両替、降車という面倒な流れ。20分乗車で軽く千円を超えるが、駅伝でお馴染みの七曲りなど凄い勾配の山道をガンガン走って頼もしく路線も豊富で何よりも時刻表通りの運行。乗り継ぎ地点さえうまく検索できればマイカー無しでも困らない。が、複雑な路線図&時刻表音痴の私は、ついグーグルマップを頼ってしまう。幾つも選択肢が出てトータル乗車時間も大きく異なるので「変だな~」と思いつつ、信じ切って最短コースを選択乗車したら、箱根のお山ではエライ目に合うと知った二日目後半「ドタバタ日帰り温泉記」スタート(^_^)

 感動の6時間鑑賞を堪能した岡田美術館前のバス停「小涌園」から、ローヘンリゾートスタッフのオガワ君に「箱根1.2と名高い湯」と勧められた「天山湯治郷」へ行きたくて「奥湯本入口」へ向かう。乗り換えなしで行けるというマップを信じてたらうっかりバスを間違えた?終点「箱根湯本駅」に到着してしまって途方に暮れる。「観光案内所➡」という看板を頼りに構内へ駈け込上がって慌てて助けを求めると「簡単なことでしたらお教えします。」と片言の日本語で簡易路線図パンフレットに丸印をつけて渡してくれた。

 箱根湯本から奥湯本までは意外と近距離なのでほっとしたが、念のためにバス停の場所をしつこく訪ねる。案の定、駅の裏側で行きにくく結構な距離になりそう。「こんなの絶対マップでは辿り着けないよ~」と半泣きで感謝しつつ、傘は諦めてリュックの上からレインコートかぶって必死で走った。途中ではっと気づく。「私、秋個展の搬入で痛めた股関節も治って走れてるやん。一時間に2本しかないこのバスに乗れないと、温泉プラス晩御飯プランがおじゃんになる~帰りの最終バスに間に合わなかったら野宿だよ!頑張れ~」と心の中で叫びながらハアハア息荒げて心臓バクバク。温泉とご馳走のためなら絶対にあきらめない根性は健在であった。

 旅立つ前に10回は読んだであろう「ココミル箱根」なかなかの取材力とセンスで共感信頼できる情報が多く参考になりました。

 ー100というメモは箱根フリーパスに付帯されている施設割引額(>_<)行ってみたいスポットには付箋を挟んで一応サイト確認、行くと決めたら併設食事処のCORONA臨休も電話確認。ここまでしないとツアコンにはなれない。(注;私はただの絵描きです)
 チケットセンターのお姉さんと思いのほか全力疾走できたおかげで無事に辿り着いた「天山湯治郷」。幾つも凝った設えの露天風呂があって内湯も外湯も源泉かけ流しで勿論、加水・消毒・循環無し。温泉好きに愛され続ける老舗だとよくわかる清潔さ。静かなのが何よりも嬉しい。個人情報丸聞こえの世間話騒音や走り回る子たちもいないし、海外からのお客様も入浴マナーもばっちり。気持ちよく雨に濡れたカラダもあったまり♨。ただ一つの誤算は、美術館でランチ抜きになってしまったので入浴前にカフェでケーキ&温泉コーヒーを戴くつもりが満員御礼、順番待ち。諦めて茶飴を三つお口にほりこみ五時半オープンの「山法師」まで断食入浴となりました。
 で、心配になってきたのは帰路のバス!マップじゃなくてどなたか地元のスタッフさんにお尋ねせねば、もし間違えたらほんまに帰れなくなる…でも眠たいなあ…あ~ええお湯…まったり~(^^)
  
 帰りのバスは気になるしお腹も鳴ってくるしで、私にしては短め入浴で上がってオープンと同時に入店。鰻と迷ったあげく食べたことのない雉重をオーダー。「焼きあがるまで半時間かかりますが?」と言われたので「私が待つのは構いませんが、最終バスの時間が気になりまして…元箱根港箱根神社前まで帰りたいのですが間に合いますでしょうか?」と訴える。地元スタッフさんに変わってくださって「降りられたバス停の向かいから小田原駅へ戻って戴いて乗り換えになりますが、神社前まで行けるバスがありますよ。ただ、駅まで行くと最終バスに間に合わない可能性があるのでひとつ手前のバス停で降りて橋を渡って反対方向から乗り換えてくださいね。」と丁寧なご対応にまた感激。安心したので、ここ天山の湧き水で仕込まれた美味しそうな辛口冷酒も戴くことに。
 雉は鶏肉よりあっさりしていて、嫌いなはずの脂身は甘くて濃厚。蒲焼風のタレと冷酒もよく合って本当に美味しかった!気づけば今回お初外食(>_<)所変わればなんとやら?蕪のお皿に三種のお漬物の盛り方が妙に気になる。画像では光ってわかりにくいが、おちょこの中のニコちゃんマークも。「あ、そういうこと?まあ、楽しくて良き良き」
 至福の美術鑑賞後、温泉に雉に冷酒!なんて幸せ~。雨でも気にならない~(^_-)!おまけに箱根フリーパスについてきた「いざ、神奈川!」のクーポンも使用できますとのことで、僅か千円のお支払い?ええのかしら?

 御礼を言って外へ出ると冷やっと寒い。湯冷め注意で作品のGジャンとカシミアストールでぐるぐる巻きにして真っ暗な坂道の中、小さな橋を渡ってバス停へ向かう。屋根付きベンチにお連れさんもいてはって一安心。

 すぐにバスが来た。「時間通りでしたね。」来しなに懲りてるので、降車前に運転手さんに確認すると、「終点の湯本まで行かれた方がいいですよ。」「でも、それだと最終バス乗り継ぎに間に合わないと言われたんです」「同じバス停なので絶対に乗れるので大丈夫、雨もきついので是非そうなさってください。」と止められて従う。
 
 湯本駅へ到着した屋根付きの大きなバス停で、そのまま乗り換えバスを待つ。思い起こせば、真っ暗な橋のたもとで曲がり角。次のバス停へ向かうのに、どっちへ渡ったら正しいのかもわからない私。あのまま降りていたら、冷たい雨の中で迷って待ちぼうけしたまま宿泊避難民になる可能性大だった!親切で優しい小田急運転手さんに心から感謝です。

 「ただいま~!」無事にローヘン帰宅。嬉しくて暖炉の傍で安堵の自撮り。これにて二日目落着。
 明日はフリーパスの最終日。しかも初めて快晴マークが出たので、芦ノ湖畔を散歩して元箱根港から富士山を拝んでから(これまたローヘンスタッフのオオノさん特別情報)黄金コース逆走で一番船に乗って、再度ロープウエイとケーブルカーをゆっくり楽しみ、満開の薔薇をスケッチしに強羅公園を目指すことにしてルンルンで爆睡。

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